
沖縄の地名には、漢字を見ただけでは何と呼んでよいのかわからない難読地名がたくさんあります。ところがそんな難読地名にはさらに難しい読み方も存在します。
あかんみ
那覇市小禄にある「赤嶺(あかみね)」のことです。那覇空港が始発となるゆいレールでは那覇空港駅の次の駅に当たるので、空港からゆいレールを利用したことがある人は必ず通っている地域です。
一般的には地元でも「あかみね」と呼ぶのですが、古い呼び方では「あかんみ」といいます。かなり年配の地元住民でなければ使うことはまずありませんが、長く沖縄に住んでいるとお年寄りたちの会話の中で稀に聞くことがあります。
いちかじ
現在の八重瀬町糸数(旧玉城村糸数)のことです。沖縄の古い数え歌の中に登場するのですが、一般的にはほとんど使われません。
うふぐしく
北中城村にある「大城(おおぐすく)」の呼び方です。沖縄の方言では「大きい=うふ」「ぐすく(城)=ぐしく」ともいいますので、沖縄方言の法則を知っている人であれば意外とすぐに読めるかもしれませんね。
うふちゅん
「うふぐしく」と同じく沖縄の方言の法則を知っている人であれば何となくわかる言葉です。うふちゅんは那覇市首里にある「大中(おおなか)」のことで、現在の首里大中町のことをいます。
「うふちゅん」と呼ばれていた時代は「うふちゅんちょう(大中町)」と呼ばれていました。ちなみに「中」を「ちゅん」と呼ぶのは中国語の呼び方に由来があるともいわれています。
かっちん
世界遺産で有名な勝連城がある地域を「勝連(かつれん)」といいますが、この地域の難しい呼び方が「かっちん」です。この呼び方は今でも地元県民の間ではよく使われています。
ぐしちゃん
現在の八重瀬町具志頭(旧具志頭村)の呼び方です。「具志頭」は正式には「ぐしかみ」と呼ぶのですが、地元では「ぐしちゃん」と呼ぶのが一般的です。道に迷ったときに地元の人に「ぐしかみはどっちに行けばいいですか?」といっても、ぐしちゃんという呼び方の方が一般的なので会話の流れがちょっとズレることがあります。
しーく
本部町にある瀬底島の瀬底地域のことを言います。本部町内では「しーく」という呼び方が一般的なのですが、沖縄本島でもその他の地域に住んでいる人はこの呼び方を知りません。ですから瀬底を「しーく」と呼ぶ人は、本部町出身(またはその地域に関係している人)ということがすぐにわかります。
たんなふぁ
南風原町玉那覇(たまなは)の呼び方です。沖縄の昔ながらのお菓子として有名な「タンナファクル」の名前の由来もこれに同じです。どうやら「玉那覇さんが作ったお菓子」という意味で「タンナファクル」という名前になったといわれています。
なんみん
「難民」ではありません。那覇市波之上(なみのうえ)のことを「なんみん」といいます。地元の若者世代では「波之上ビーチに行く=なんみんに行く」ということが多いです。少し年配の方になると波之上宮にお参りに行くことを「なんみんさまに行く」ということもあります。
ふぇーばる
沖縄の方言では「南=ふぇー」といいます。「ばる=原」ですから、南風原(はえばる)のことであることがわかります。現在はあまり使われていませんが、かなり訛りがきつい人と会話をしていると、時々耳にします。
ちん
本島北部にある金武町金武(きん)のことです。本島北部一帯のことを「やんばる」といいますが、金武はやんばるの一部にあるので「ちんやんばる」と呼ばれていたこともあります。
てぃしらじ
那覇市首里汀良(てら)町の旧称です。「汀志良次(てぃしらじ)」と呼びます。この旧称の名残として首里汀良町のことを「てぃしらじまちぐゎー」と呼ぶことが今でもあります。