
LGBTを取り巻く環境は少しずつ変わっているといわれる沖縄。でもまだまだ「生きやすい」と感じるレベルまでにはたどり着いていないようです。そんな沖縄にLGBT相談所が開設。今の沖縄にはどんな問題と対策がある?
そもそもLGBTってなんだっけ?
沖縄でもLGBTに関するイベントが行われるなど、少しずつ言葉そのものには認知があがっている気がします。ただまだやはりLGBTそのものについてよくわからないという人も多いです。
LGBTをわかりやすく言うと「性的少数者」を総称する表現のことです。「L」はレズビアン、「G」はゲイ、「B」はバイセクシュアル、「T」はトランスジェンダーのことを言い、それぞれの頭文字を合わせてLGBTといいます。
ただ勘違いされやすいのが「性的少数者」というイメージ。あくまでもLGBTはセクシュアルマイノリティであって「趣味嗜好」の問題ではありません。
基本的に生まれつきのものであって、病気でもなければ精神異常でもありません。ただまだまだ認知度が低いこともあって間違った認識をされることが多く、カミングアウトするにも大きなリスクを伴うことが多いです。
LGBTといってもひとくくりにできないのが難しい
LGBTには「性をどう考えるのか」という切り口に4つのパターンがあり、人によって様々な組み合わせを持っているというところが難しいところです。
もっともイメージしやすいものといえばレズビアンとゲイです。この場合は「自分が認識している性別と好きになる性別が同性」となるので、性的指向のマイノリティといえます。バイセクシュアルもレズビアンとゲイと同じカテゴリーになりますが、バイセクシュアルの場合は「どちらの性も好きになることがある」のが特徴です。
これに対してトランスジェンダーは、「自分が認識している性と身体的・生物学的な性が一致しないこと」を言います。この場合は性自認のマイノリティとなるので、性的指向のマイノリティとはカテゴリーが違ってきます。
さらに服装やしぐさ、言葉遣いなどの性表現も人それぞれ違ってくるので、一言でLGBTといっても様々な個性があるのだということを理解していくことがはじめの一歩となります。
沖縄移住者と沖縄出身者でも暮らしやすさに違いがある
私にはLGBTの友人が数人います。沖縄に移住してきた友人もいますし、沖縄出身の友人もいます。どちらの友人も「LGBTであることを周囲にカミングアウトするには勇気がいる」といっています。ただ私が友人として彼らをみている限り「沖縄出身の人の方が問題は根深いのでは?」と感じます。
まず「出会いの場がなかなかない」という問題。沖縄は横のつながりが強い地域なので、情報もあっという間に広がっていきます。そのため沖縄出身の友人によると「自分から出会いを求めて出歩くこともリスクが高い」といいます。
たしかに沖縄にいる限りどこで知り合いと会うかはわかりません。しかも一度噂になるとあっという間に広がっていきます。しかも噂ですから、正しい情報であるという保証はありません。間違った情報が一気に広がると、それを払しょくするのにも相当な時間がかかります。そのうえカミングアウトをしていないのに噂が先行してしまい、周囲から嫌な視線を向けられてしまうということもあります。
これに対して沖縄に移住してきた友人は、「出会いにはそれほど困らないよ」といいます。たしかに彼のパートナーを何度か紹介されましたが、どの人も沖縄で出会ったというので移住してきた友人の意見も一理あるのだと思います。
ただ2人の友人を見て思うのは、「周りに理解されたい」と思う意識よりも「自分が特別な存在だと思われるのが嫌だ」という意識のほうが強い気がします。
自分以外の誰かを好きになる気持ちは自分ではコントロールできない感情ですし、好きな気持ちを相手に受け入れてもらった時は素直にうれしいと思うもの。それ以上でもそれ以下でもないということを、友人たちを見ていると強く感じます。
沖縄にもLGBTを相談できる場所がある
沖縄にもLGBT相談所があります。沖縄市の社会福祉協議会が開設しているのですが、専門の相談員がカウンセリングなどを通して相談にあたってくれます。
LGBT相談所- 電話:098-937-1500
- 相談日:毎月第2木曜日の午後2~4時まで
まずはLGBTイベントに参加してみよう
自分がLGBTで悩んでいる人も、友人がLGBTで接し方に悩んでいるという人も沖縄にはまだまだたくさんいます。もちろん悩みには様々なものがありますし、受け取り方や考え方も様々。ですからLGBTに対して肯定的な人もいれば否定的な人もいます。
でも「どんな人でも笑顔になれる権利をもっている」ということは大切なこと。そんなことを漠然とでも理解ができるというイベントが沖縄でも行われています。「関わること」も大切ですが「関心を持つこと」も大切。そのためのきっかけとしてあなたも一度イベントに参加してみませんか?