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かつての沖縄ではあの手この手で雨乞いをしていた

投稿日:2018年1月29日 更新日:

雨

毎年台風の被害に悩む沖縄ですが、沖縄にとって台風は、恵みの雨をもたらしてくれる存在でもあります。台風によって、すぐに水不足に陥ってしまう沖縄では、昔から伝わる様々な雨乞いの儀式があります。

水不足→不作→大飢饉の連鎖

農業国であった琉球では、豊作は国を豊かにするだけでなく、人々の命をつなぐ大切なもの。そのため、水不足は人々にとって深刻な問題です。

沖縄は、熱帯気候に位置しているものの、年間通して雨が降るというわけではありません。そんな沖縄において水の確保をするための貴重な存在となっているのが、年間10個程度接近する台風の雨です。

台風は、農作物だけでなく家屋にも大きな被害が出るものですが、同時に十分な雨を沖縄にもたらしてくれます。そのため、沖縄にとって台風は、厄介な存在ではあるものの、なくてはならない存在でもあります。

ところが、台風に干ばつがセットで起こってしまうと、これは大惨事になります。干ばつが続くと、せっかく台風によって畑が潤ったとしても、すぐに干上がってしまい、作物は育ちません。

過去には、台風と干ばつのダブルパンチによって、大凶作の上に大飢饉が起きてしまったことがあります。琉球の歴史書である『球陽』によると、大凶作&大飢饉が起きた1709年には3199名、1825年には3358名、1832年には2455名の餓死者が出たと記録されています。

国家レベルの雨乞いの儀式

深刻な水不足によって甚大な被害をうんでしまった歴史を持つ琉球国では、国家レベルの雨乞いの儀式が積極的に行われていました。この場合は、国王自らが実施を指示し、3日間にも及ぶ大掛かりな雨乞いの儀式が行われます。

山頂で火を焚いて雨を降らせる

民間レベルの雨乞いの儀式には、様々な方法があります。全島各地で最もよく行われていたのが、火を焚いて雨雲を引き寄せるという方法。これは、世界各国でも見られる典型的な雨乞いの儀式の一つで、沖縄には、日本本土から伝わってきたといわれています。

沖縄の火焚きの儀式は、山頂で周囲にある枯れ木などを集めて火を焚き、煙によって雨雲を引き寄せ、雨を降らせるものです。火焚きをする場所は集落ごとに決められており、集落によっては、火を焚くだけでなく、太鼓や指笛などを鳴らすこともあります。音が出る物を鳴らすのは、雨を降らせる水神をたたき起こすことが目的なのだといわれています。

綱引きで雨を降らせる

全島各地で今も豊年祭の伝統行事として引き継がれている綱引きですが、地域によっては、雨乞い祈願が綱引きに含まれていることもあります。中には、綱引きの時に、雨乞い祈願のための歌を歌う地域もあります。

ちょっと変わった綱引きによる雨乞いの儀式といえば、石垣市で行われるアヒャー綱があります。アヒャー綱は、綱引きを女性だけで行います。この地域では、昔、大掛かりな雨乞いの儀式を行ったそうなのですが、全く効果がなかったため、集落の偉い役人夫人たちだけで綱引きをしてみたところ、雨が降ってきたそうです。それ以降、この地域では女性のみで綱引きを行うようになったといいます。

みんなで雨乞い踊りを踊る

日本全国にも、雨乞い祈願の歌の存在は確認されていますが、水不足で悩む沖縄にも、雨乞い祈願の歌はあります。沖縄では、歌を歌うだけでなく、みんなで輪になって雨乞い踊りを踊る祈願方法がとられます。

踊りによる雨乞い祈願は、国家レベルの雨乞いの儀式でも見られる方法なのですが、地域によって踊りのスタイルには多少の違いが見られます。ただし、国家レベル・民間レベル問わず共通しているのは、「神女が雨乞い踊りを踊る人々に向けて水をかける」という点です。

そのため、踊りの輪の中心には、水を入れた水瓶が置かれ、その横で、神女が人々に向けて水を撒いていきます。こうすると、あたかも雨が降ってきたかのようにみえるため、空の雨神がつられて雨を降らせてくれるのだといいます。

雨乞い石に願掛けをする

沖縄では、自然界にある岩や石などを信仰の対象とする考え方が昔から根強くあります。そんな岩谷医師の中には、「雨乞い石」と呼ばれる石もあります。この儀式は、地域によってやり方に違いがあります。

雨乞い石をたたくことによって祈願とする地域もあれば、雨乞い石の周りをまわりながら水をかけて雨乞いをすることもあります。面白いものでは、山の上から大きな岩を転がし続けることで、雷のようなゴロゴロという音をたて、雨を降らせるという方法があります。

ちょっと怖い毒を使った雨乞いの儀式

民間レベルの雨乞いの儀式の中でも、ちょっと怖い「毒を使った雨乞いの儀式」というものがあります。これは、山頂で行う火焚きの儀式でも効果がなかった場合に行われることがある儀式で、植物をすりつぶして作った毒を川の上流から流すのだとか…。

もちろん毒ですから、毒を流せば、川に住む魚やエビなどは死にます。死んだ魚たちは、やがて川面に浮かんできますが、大量に浮かんでくるため、半分程度は川の底に沈み、そのまま腐敗していきます。この時の腐敗臭が天まで届き、あまりの臭さに怒った雨神が雨を降らすというのです。いくら雨乞いのためとはいえ、腐敗臭を使って神さまを怒らせて雨を降らせるこの方法は、全国的に見てもかなり珍しいようです。

今となってはダムなどもあるので昔のように雨乞いの儀式をやっている地域はほとんどないかと思いますが、昔は雨が命を繋いでいたんだなと感じさせられる沖縄の歴史ですね。

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