
職場の部下が落ち込んでいるところを見かけると、上司としてもなんとか励ましたいと思う気持ちになります。そんな時に「がんばれよ」以上に効果がありあなたの評価もアップする沖縄のことわざを3選まとめました。
苦手なことほど頑張ることが大事
沖縄のことわざ
下手からどぅ習てぃ 優るてぃや行ちゅる 及ばらんとぅ思てぃ 思案するな
〈よみかた〉
ふいたからどぅならてぃ すぐりてぃやいちゅる うゆばらんとぅむてぃ しあんするな
言葉の意味
「自分は下手だから失敗をしてしまうのだ」と思って物事を諦めてしまっては、いつまでたっても上手になることはありません。
下手だと思うことほど一生懸命練習したり学ぶことによって物事は上達していくのです。
失敗したからと言ってくよくよしても、何の意味もありません。物事は最初からうまくいくとは限らないのです。だからあなたが下手だということを悩む必要は全くないのです。
部下に伝える時のポイント
失敗を繰り返す部下に対してどのように接すればよいか、正直悩む上司は多いですよね?
叱ってやる気を出すタイプであればよいのですが、最近の若い部下たちは叱られること自体がストレスになります。また部下のとらえ方によってはあなたが「パワハラ」と訴えられることもあります。
でもそんな若い部下も、仕事が下手(苦手)という意識はあります。できることならこれを何とか改善し、誰からも頼られるような社員になりたいと心の中では思っています。
だからこそ「下手」という言葉を直接的に使うのはNGです。その代りこのことわざを使うのです。
そして「くよくよする必要はない。サポートするから一緒に頑張ろう」というメッセージをきちんと言葉にして部下に伝えることが、落ち込んでいる部下を励ます効果的なポイントになります。
努力してこそ本当の才能
沖縄のことわざ
いかな生まりぢち 優りやい居てぃん 習わにば人ぬ 道や知らん
〈よみかた〉
いかなんまりぢち すぐりやいうてぃん ならわにばひとぅぬ みちやしらん
言葉の意味
人は生まれながらに何らかの才能を持っています。それが人並み外れていれば「天才」と呼ばれますが、そのようにいわれる人であっても何もせずに天才となることはありません。
またどんな才能であっても何も努力をしなければ、それは何の青果にもつながりません。
つまり生まれながらにして持っている才能は、努力をすることで初めて「才能」として認められるのです。
仕事の能力ももちろん同じです。失敗が続くと人はどうしても「能力がない」「才能がない」と思い込んでしまいます。でも能力や才能がないのではなく「努力がない」から失敗が続くのです。
本当の意味で才能を身に着けるためには、努力をすることが何よりも大事です。そして努力をすることを学ぶことが、人としての道を知ることにつながるのです。
部下に伝える時のポイント
仕事の上で失敗が続くと、どうしても「自分には才能がないのでは?」とか「この仕事に向いていないのではないのか?」と部下は考えてしまいます。でも本当に必要なことは才能ではなく、失敗を恐れず努力を続けることの方ですよね?
そのことを上手く部下に伝えることが出来れば部下は失敗を恐れるのではなく、失敗しても努力を続ける強い心を手に入れることが出来ます。
部下の失敗が続くとどうしても上司であるあなた自身もイライラしてしまいがちですが、部下を育てるという意味で考えればここでの対応は重要です。
今のうちに「努力の大切さ」をしっかりと身に着けさせれば、必ず将来部下はこの状況を乗り越えます。
ここは上司であるあなたにとっても試練の時ですから、慎重に部下と話し合いをすることが大切です。
逆境を乗り越えるからこそ成功がある
沖縄のことわざ
梅でんし雪に 詰みらりてぃ後どぅ 花ん匂増しゅる 浮世でむぬ
〈よみかた〉
んみでんしゆちに ちみられいてぃあとぅどぅ はなんにゆいましゆる うきゆでむぬ
言葉の意味
初春を告げる梅の花も、冷たい雪に耐えるからこそ人を引き付ける芳香が増すのです。これは梅に限らず人の世でも同じです。
今のあなたは確かに逆境に立たされています。でもこれを乗り越えるからこそ、あなたは大きな成功を手に入れることが出来るのです。
梅の花も厳しい状況を乗り越えるからこそ人を引き付ける美しい花として咲くことが出来るのですから、あなたもこの逆境に押しつぶされることなく乗り越えることが大事なのです。
部下に伝える時のポイント
部下にとっての失敗は、上司であるあなたも若い頃に経験したことがあるはずです。当時のあなたも今の部下と同じように「これは乗り越えられない壁なのではないか?」と感じたはずです。
でも実際に乗り越えさらに経験を積んだ今では、それが「逆境である」と考えることがなくなったはずです。何事も経験が必要ですが、経験がない時にはそれに立ち向かう勇気が出せないのです。
そのことをあなたが今一度思い出してあげれば、部下もあなたの言葉の意味を理解してくれるはずです。部下は背中を押してくれる力があれば前に進みだします。その時の心のケアとしてこの言葉を使うと効果的です。
落ち込んでいる部下には寄り添う上司の存在が必要
落ち込んでいる部下にどんなに「がんばれ」と声をかけても、その「がんばれ」の一言が部下にプレッシャーを与えることもよくあります。もちろん周りからも同じように声掛けをされているはずですから、上司から改めてその言葉をかけられると「こっちだって一生懸命やっているよ!」と逆ギレされてしまいます。
だからこそ「がんばれ」ではなく「寄り添う」ということが重要です。
落ち込んでいる部下には心の弱さをさらけ出せる場所がありません。それに気が付いてあげることも、上司としては大事なことです。
そしてその弱さを補うためにあなたがそっと力を貸してあげることが、部下の落ち込みを早期に立ち直らせる効果があります。