
中城村にある世界遺産「中城城跡」は、沖縄県内でもファンが多い城跡です。中城城は「難攻不落の城」と「琉球一の美城」の2つの異名があります。そこで見学するときの7のポイントをまとめました。
【ポイントその①】まずは城の全景を楽しむ
観覧料を支払い、横断歩道を渡るといよいよ中城城跡が見えてきます。
中城城は「難攻不落の城」と呼ばれており、小高い山の頂上に築城されていました。現在は城壁のみが残るのですが、その城壁すらも圧倒的な広さがあります。
この大きさをリアルに実感できるのが「登り始める前」になります。城へと続く道をゆっくりと歩いていくと広場のような場所があります。ここが最初の見学ポイントです。
あたり一面は美しい芝生が広がっているので晴れた日には芝生の緑、石造りの城壁、空の青のコントラストが見事!
まずはこの圧倒的なスケールを楽しむのが、中城城の見学ポイントになります。
【ポイントその②】琉球グスク最高美といわれる三の郭を堪能
中城城といえば、美しい曲線美が魅力の三の郭が有名です。とはいえ三の郭は築城当初にはありませんでした。
実は中城城は14世紀頃からこの地域の按司たちが数世代にわたって少しずつ作り上げてきた城です。そのため城主が変わるごとに少しずつ増築されていきます。
いなみに中城城主として名前が挙がる人物の一人「護佐丸」は、1440年頃に本島中部の座喜味城から中城城へと移ってきました。
この時の中城城には三の郭はありません。護佐丸が城主となるまでは「西の郭」「南の郭」「一の郭」「二の郭」までしかありませんでした。
でもここまで作り上げるにも長い年月がかかっています。
月日が流れ護佐丸が城主となったことによって、琉球一と呼ばれる美しい三の郭が増築されます。
何しろ護佐丸は「築城の名人」といわれたほどで、かつて居城としていた座喜味城も曲線が美しい城として有名です。
ただし白の規模でいえば圧倒的に中城城の方が上です。ですからまずは「琉球一」といわれる三の郭の曲線美を思う存分堪能してください。
【ポイントその③】聖域を守るために護佐丸がつくらせた北の郭
沖縄の城には、城内に聖域があるのが特徴です。中城城内にも多くの拝所がありますが、拝所とは別に「聖域」として大切にされていた場所があります。
それが大井戸(ウフガー)です。
琉球では井戸は神様への祈りの場であると同時に聖域(神域)でもあります。そのため護佐丸は大井戸を守るためにわざわざ北の郭を作らせました。
こうしたこともあって北の郭は大井戸を取り囲むようにして作られているのが特徴にあります。
もちろんパワースポットではありますが、三の郭以上に高度な技術が使われているのが北の郭です。
そのため当時の建築技術のレベルを知ることが出来る貴重な場所でもあります。
【ポイントその④】3つの拝所がある西の郭
西の郭は護佐丸が城主となる前に造られたものです。三の郭や北の郭との印象とは違い、どちらかというと自然の岩山をそのまま生かしているように見えます。
この場所には全部で3か所の拝所があります。
それぞれ位の高い神様が祀られているといわれており、今でも人々の祈りの場となっています。
ちなみに西の郭は自然を上手く使って細長く延びた形をしているので、当時は弓や兵馬の練習場としても使われていたといいます。
【ポイントその⑤】敵からの攻撃を完全に防ぐための仕掛けが詰まった正門
中城城が難攻不落といわれた理由の一つは、「敵からの攻撃を完全に封じるための仕掛け」にあります。中でも代表的なものが「正門」です。
中城城の正門には、当時木製の櫓(やぐら)が設置されていたといいます。しかも敵の侵入を阻むためにわざと正門の幅を狭くしています。
そのため敵が一気に攻め入ろうとしても、狭い正門を通る前に櫓からの攻撃によって一網打尽にされてしまいます。
さらに正門の両サイドには城壁が張り出しています。もちろんここにも幣が待機しているので、万一敵が正門を潜り抜けたとしてもその先で待ち構えている兵によってやられてしまいます。
「こんなに立派な郭があるのになんて小さな正門なんだ?」という疑問も、「戦国時代」と呼ばれた時代の城ならでは仕掛けが施されていたと分かれば納得ですよね?
【ポイントその⑥】美しい景色を眺めることが出来る一の郭
一の郭は中城城の主郭になります。第二次世界大戦以前はここに殿舎がありました。
城の中で最も高い位置にあるため、ここから眺める景色はとにかく最高です。眼下には中城湾がありますので、美しい海と青い空も一緒に楽しむことが出来ます。
【ポイントその⑦】無料ボランティアのガイドはかなりおすすめ!
まだまだ数多くの見所がある中城城跡では、城内を無料ボランティアがガイドしてくれるサービスもあります。
もちろん中城城跡のパンフレットも準備されていますが、ガイドしてくれるのが地元住民ということもあってパンフレットに書かれていないことも細かく説明してくれます。
予約制となっていますが無料で利用が出来ますので、せっかくの世界遺産をゆっくりと見学したいのであればぜひ利用してみてくださいね!
※コロナ禍の今はガイドサービスを停止しているようです。無料ガイドが再開されてからご利用ください。