「沖縄に行くとなんか心も身体も開放される気がする」と感じる人は多いのではないでしょうか。実際に沖縄に住む人たちはどこか本土とは違う時間の中で生きていて、穏やかでオープン、時間や空間にこだわらない感じがします。それは沖縄という島全体が神様のエネルギーに満ちたパワースポットだからかもしれません。
パワースポットとは

パワースポット、というと何かご利益や良いエネルギーを一方的にもらいにいく場所、という解釈が一般的になっているようです。今のパワースポットブームは凄いですよね。しかし実際はそうではなく、長い歴史の中で大切にされてきたその場所独自の純粋なエネルギーに触れに行くための場所、と言った方が相応しいのではないでしょうか。
触れることで自分の中の乱れたエネルギーがその地のエネルギーと同化し、ずれてしまった方位磁石が微調整されるような。そしてパワースポットで調整された方位磁石を持って帰ることで自分が何をすべきかハッキリ分かるようになって人生が好転していく-ということではないでしょうか。
沖縄の代表的なパワースポット

最も有名なのは斎場御嶽(せーふぁうたき)です。ここは琉球王朝時代には国家的な祭事が行われてきた聖地。その信仰は琉球王国が終焉を迎えた後も絶えることなく現在でも続いており、「聖なる空間」として手厚く守られています。世界遺産に登録されている祈りの場所です。
いくつもの拝所を経て巨大な岩が折り重なって三角形を作っている三庫理(さんぐーい)は自然の造形に驚くと共に人知を超えたパワーを感じることが出来ます。
三庫理をくぐった先には見晴らしのいい場所があり、小さな島が目に入ります。パワースポット通の間では有名な神の島・久高島です。この島には特別な島で、選ばれた人しか行くことができないとか。実際に島に渡る直前に携帯電話を紛失して行けなくなってしまった-という話を聞いたことがあります。
久高島の至る所に拝所があり、立ち入り禁止の場所もあります。特に「イシキ浜」は『琉球国王由来記』によれば、ニライカナイからの神が島を訪れる時に船が着く場所といわれ、神聖な浜とされています。琉球王国時代には国王もこの島に渡って巡礼をしていました。この島に行くとそれまで天気が良かったのに突然大雨が降ったり台風のような風が巻き起こったりと不思議な現象に遭遇することがあります。
那覇から国道58号線を北上すること2時間半。沖縄本島最北端の地、辺戸岬に到着します。ここは安須森(あすむい)と呼ばれる聖地です。地元では辺戸御嶽(へどうたき)とも言われ、実はここが沖縄最大のパワースポットと言われています。
海の景色も須晴らしいのですが山の稜線に注目してみてください。面白い形をした山が兄弟のように四つ連なっています。琉球の神話では開闢の神アマミキヨが最初に創造した地とされています。普通は聖地に立ち入ることは禁止されていますが、ここは「大石林山」と公園になっています。石灰岩の造形を楽しみながらパワースポットを歩くことが出来るのです。ただし、入る時は謙虚な気持ちは忘れずに。
パワースポットでの振る舞い方
斎場御嶽は世界遺産になったこともあり、多くの人が訪れるようになりました。入場したら説明のビデオをしっかり見て失礼のないように振舞いましょう。しかし残念なことに入ってはいけない場所にズカズカと入り、写真撮影に興じている人もいます。そもそもパワースポットや聖地は遊ぶ場所ではありませんし、好き勝手に振舞っていい場所ではありません。
パワースポットは謙虚な気持ちで立ち入り、そこにあるものはたとえ石一つでも持ち出してはいけないとされています。久高島からきれいな石を持って帰ったら具合が悪くなったという話もあるほどです。
パワースポットであればどこでも良いというわけではありません。もしも行ってみて居心地が良くないな、と感じたら静かにお礼を言って離れましょう。でも心配する必要はありません。人それぞれに個性があるように、その場所独自のエネルギーがあります。だから当然相性もあるのです。島全体がパワースポットと言われる沖縄にはあなたに合うパワースポットが他にあるはずですから気長に探してみましょう。