
旅行にきたら、その土地の焼き物を見るのも楽しみの一つ。もちろん沖縄にも、やちむん通りで有名な壷屋焼以外に数多くの産地があります。そこで、見て楽しくて、買ってうれしい沖縄の焼き物を紹介します。
沖縄の焼き物は、大きく分けて2つある
沖縄の焼き物は、大きく分けると壷屋焼と琉球焼の2つに分かれます。
この二つの違いをものすごくざっくりと説明するなら、「壷屋焼」と「壷屋焼ではない陶器」ということになります。
壷屋焼
もともと壷屋焼とは、知花窯・湧田窯・宝口窯の三つが、1682年に現在の壷屋に移設統合されたことに始まります。
主な製造地としては、那覇市が有名なのですが、ほかにも、恩納村と読谷村があります。
原材料
壷屋焼の場合、原材料には次のようなものが使われます。
- 島尻粘土
- 喜瀬粘土
- 古我知粘土
- 石川粘土
- 前兼久粘土
- 山田粘土
- 喜名粘土
- 安富祖粘土
壷屋焼の2つの系統
壷屋焼には、大きく分けると「荒焼」と「上焼」の二つの系統に分かれます。
荒焼
南蛮焼の系統を汲んでいるのが特徴にあります。釉薬をかけずに、1000度の高温で焼き固めます。
ちなみに、壷屋焼の代表でもあるシーサーは、荒焼の代表でもあります。
上焼
大陸渡来系の絵付けされた焼き物が特徴です。陶土には白土をかぶせて化粧し、その上で絵付けや彫刻文様を施し、釉薬をかけて焼きます。
主に日用品として使われる上焼は、絵付けや彫刻文様は施されているものの、庶民向けのものも多かったため、沖縄では身近な焼き物でもあります。上焼で有名なものといえば、泡盛を入れるカラカラや、携帯用の酒器であるダチビン(抱瓶)があります。
壷屋焼を見たい、買いたいなら
現在、壷屋陶器事業協同組合には、27名が組合員として登録されています。その中で、おすすめの窯元を紹介しておきます。
小橋川製陶所・仁王窯
約300年の伝統を誇る古窯。名陶工といわれた二代目・小橋川仁王の意思を受け継いだ、美しい赤絵が魅力です。
- 住所:那覇市壷屋1-28-27
- 電話:098-863-4617
島袋陶器所
シーサー作りをメインに行っている窯元です。さまざまな表情のシーサーを作り出すところに魅力があります。種類も豊富なので、一点もののシーサーを手に入れたいのなら、おすすめの窯元です。
- 住所:那覇市壷屋1丁目21-23
- 電話:098-863-1107
國場陶芸
白化粧に赤絵の水鶏紋が施された「水鶏シリーズ」は、國場陶芸の人気シリーズです。大皿からマグカップまで、さまざまな作品があるので、「見て楽しい、買ってうれしい焼き物」としておすすめの窯元のひとつです。
- 住所:那覇市牧志3-8-30
育陶園
筋骨隆々の力強いシーサーが特徴の育陶園では、併設している工房で、陶芸教室や体験教室も行っています。
実際に壷屋焼を体験したいのであれば、おすすめの窯元です。
- 住所:那覇市壷屋1丁目22-33
- 電話:098-866-1635
新垣製陶所
名陶工と呼ばれた新垣栄三郎を父に持つのが、現在七代目となった新垣功氏。
作品の特徴は、白化粧に、魚や花を線彫りした、南国らしい装飾にあります。普段使いができる生活雑貨を多く製作しているので、ぜひ立ち寄ってみたい窯元です。
- 住所:那覇市壷屋1丁目22-30
- 電話:098-863-1350
高江洲陶器所
壷屋焼の伝統的なモチーフを絵柄に多用するのが特徴で、素朴ながらも普段使いとしても使いやすい作品が多いです。
壷屋焼らしいお土産を手に入れたいのであれば、覗いてみたい窯元です。
- 住所:那覇市牧志3丁目6-37
- 電話:098-867-3908
もっと多くの壷や焼を見たい、買いたい時は
壷屋陶器事業協同組合では、今回紹介できなかった窯元の紹介や、壷屋焼に関するさまざまな情報があります。
壷屋陶器事業協同組合
- 住所:那覇市壷屋1-21-14
- 電話:098-866-3284
陶器祭りもあります!
国際通り観光とあわせて立ち寄れば、お得に壷屋焼を手に入れるチャンスがあるかも?
第38回壷屋陶器まつり
- 日時:2017年11月24日(金)~11月26日(日)
- 時間:10:00~18:00
- 場所:那覇市立壷屋小学校
琉球焼
琉球王府時代の六つの窯の流れを組んでいるのが、琉球焼の特徴にあります。ですが、琉球焼は、壷屋焼に影響を受けている焼き物という点も、特徴のひとつにあります。
県内全域で広く焼かれているというところも特徴にあるため、壷屋焼よりも主な製造地のエリアが広がっているというところも面白い点です。
壷屋焼が盛んな那覇市、読谷村はもちろんですが、沖縄市、宜野湾市、うるま市、名護市、与那原町なども、琉球焼の製造地としては有名です。
原材料
琉球焼の原材料には、次のようなものがあります。
- 石川粘土
- 恩名粘土
- 前兼久粘土
- 大湿帯粘土
- 江洲粘土
- 喜瀬粘土
- 具志頭白土
- 喜屋武原粘土
焼き物好きならぜひ立ち寄りたい読谷共同販売センター
毎年2月に大きな陶器市を開催することでも有名な読谷村では、読谷共同販売センターでもさまざまな作品を見て、購入することができます。
45作家の作品を扱う読谷共同販売センター
ひとつの場所で、45名もの作家の作品を見たり購入することができる場所となると、県内でもかなり限られています。
自分好みの焼き物を効率よく見つけたい人や、沖縄の焼き物をたくさん見てみたいという人には、おすすめの場所です。
- 住所:沖縄県読谷村座喜味2723-1
- 電話:098-958-1020
- 定休日:木曜日、年末年始
- 駐車場:あり(無料)