一年を通してそれほど気温の差がない沖縄ですが、冬は例外です。半袖・短パンでほぼ一年OKな沖縄でもさすがにコートが必要になる冬。そんな冬の沖縄で旬を迎える食材は、夏とは違った美味さと魅力があります。
クルマエビ

体全体に黒い縞模様がはいっているクルマエビは、和食の定番食材としても人気です。「なぜ沖縄がクルマエビ?」と思うかもしれませんが、実は沖縄はクルマエビの養殖が盛んなのです。
沖縄でクルマエビの養殖が始まったのは、本土よりも遅れること10年。昭和46年頃からだといいます。当時は「沖縄でクルマエビの養殖なんて無茶だ!」という専門家の指摘もあったといいますが、今ではなんと生産量日本一!
そんなクルマエビが沖縄で旬を迎えるのが冬です。クルマエビは加熱するほど身の甘さが引き立つ食材なので、てんぷらやエビフライ、唐揚げなどにして食べた方がおいしく食べられます。さらに養殖されたクルマエビはうま味成分が天然物よりも多く含まれているので、本土の高級和食店からの注文も多いのです。
そんな沖縄のクルマエビを最もおいしく食べられるのが冬なのですから、この時期に沖縄旅行に来て食べずに帰るなんてもったいないですよ!
タンカン

タンカンはミカン科の一種です。タンゴール(ポンカンとネーブルオレンジを自然交配したもの)の一種で、一般的なミカンよりも小ぶりなのが特徴です。亜熱帯性のフルーツなので沖縄の気候と相性がいい!そのため沖縄では、味・香りともに良いタンカンがたくさん採れるのです。
ちなみにタンカンは1月が収穫のピークです。12月半ばから収穫が始まるので、地元ではお歳暮の品としても人気があります。なかでも産地として有名な本部町・伊豆見のタンカンは地元で大人気です。そのためこの時期になるとわざわざタンカンを求めて本島北部の伊豆見までわざわざ足を運ぶ沖縄県民も少なくありません。
表面の皮はそれほど厚くはありませんが、果肉にしっかりと張り付いているのでうまく剥がせないのがタンカンの唯一の欠点です。でも中の膜は柔らかいので、小さな子供からお年寄りまで食べやすいのが特徴です。
冬に沖縄旅行に来てお土産に悩むのであれば、地元県民としては迷わず「タンカン」をおすすめします。酸味が少なく小ぶりで甘みが強いタンカンはこの時期にしか食べることが出来ない貴重なフルーツ。「沖縄のお土産にミカン?」と思うかもしれませんが、間違いのない冬の沖縄土産ですよ。
島ニンジン

島ニンジンは、方言で「チデークニー」といいます。ニンジンというと色鮮やかなオレンジが特徴的ですが、島ニンジンはオレンジ色をしていません。いろは黄色で形も細長いです。だから見た目だけでいうと「不作のニンジン?」という感じです。
もちろんこれはれっきとした島ニンジンの特徴です。ただし沖縄で作られるニンジンがすべて島ニンジンのように黄色をしているわけではありません。あなたが今イメージしている「立派なニンジン」もたくさんあります。ですから沖縄でニンジンを作ると全て黄色い島ニンジンになるということではないのです。
ちなみに島ニンジンは一般的なニンジンよりも値段が高いです。スーパーに行っても常に売られているものではなく、旬を迎える冬になるとぽつぽつとその姿を見かけます。
さらに島ニンジンには一般的なニンジンと比べてもカリウムが豊富に含まれています。カリウムは体の中の余分な塩分を排泄によって外に押し出す働きがあります。そのため高血圧の予防に良い食材として昔から知られています。
表面の皮は薄いので、皮ごと調理するのも島ニンジンの特徴。独特の香りがあるので、炒め物や汁物にして食べるのが地元では一般的です。
冬の沖縄もおいしいものがたくさんある!
沖縄は夏に旬を迎える島野菜やフルーツばかり注目されますが、冬にしか食べることが出来ないおいしい旬素材もたくさんあります。そんな旬の味覚を楽しむのも、冬の沖縄旅行の楽しみ方の一つ!おいしい冬の沖縄をあなたも楽しんでみてはいかがですか?